聖☆おにいさん 1 他

聖☆おにいさん(1) (モーニング KC)

聖☆おにいさん(1) (モーニング KC)

電車で読んではいけないコミックとしてもはや説明不要!?

巻末の情報では2巻は今年の12月のようです。荒川アンダーザブリッジもオススメです。

忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)

読んでいてまず初めに考えた本書の特長は「茶をすすりながらお爺ちゃんお婆ちゃんの話を聞いて、へぇ、そんなことがあったんか〜」という、どう表現したらいいかちょうど良い言葉が思いつかないが、とにかくそういったのほほんとした良さ。

だが読み進めていると宮本常一さんにお供して日本を巡っている感覚が付随してくる。古老の話を通して昔の日本を知る、と見せかけて宮本常一さん自身の話を読んでいる、という感じ。読み方としてはベタだが。

網野善彦さんの解説自体が独立した面白さがでているのもいい。というか本編を読んでいる間ただ活字を追って何も考えていない自分が恥ずかしくなる。これが「VS方言周圏論(日本の文化は日本の中心から順繰りに周囲に広まっていったという考え)」の文章だったとはまったく思い至らなんだ。網野さんらしい考え方というべきなのか(といっても自分は網野さんの本を読んでない)、一般的な捉え方なのか。
それにしても解説中「宮本民俗学」という言い回しが出てきますが、網野さん自身「網野史観」生みの親。名著と解説という関係が既にして偉人の系譜になっているというおそろしい一冊。



瑣末なことですがP65にて。

・・・日露戦争のときも、日独戦争のときも、今度の戦争のときも・・・

おそらく第一次世界大戦のことなんだろうがこういう表現が新鮮。