「虐殺器官」伊藤計劃

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

面白すぎる。
民間軍事請負業者(Private Military Firms = PMF)、脳の特定部位を麻痺させることによって痛み・悲しみ・倫理観を制御する技術、人工筋肉が可能にした様々な機器、etc。SF物、軍事物のファクターがつまっていて十分面白いのに、作中の会話、議論も良すぎる。

本筋でないかもしれないですが「民間軍事請負業者」という要素はフィクションの世界ではもう既にどれ程使われているのだろうか。自分はメタルギアソリッド4でその言葉を知る(こちらではPrivate Military Company = PMC)それ以前にはそういった物の存在すら知らなかった。現状でどれほど戦場に浸透しているのかすら知らない。そういえば日本で民営化された刑務所って話があった気がするがどこだったか・・。こういった話題について詳しく知ろうとすればこれか→外注される戦争―民間軍事会社の正体これか→戦争民営化―10兆円ビジネスの全貌 (祥伝社新書)・・あたりなのだろうか。

あと以前にも書きましたが糸井重里さんの海馬 脳は疲れない (新潮文庫) [ 池谷裕二 ]を同時進行で読んでおり「虐殺器官」においても脳の話が深く展開されていたので時々「あの話どっちで読んだっけ?」と混乱しながらの読書でした。

それにしても「海馬」から読み始めたのに結局こちらを先に読み終えてしまった。文章もぐいぐい引っ張られる感じで本当に面白い。