笑い男

攻殻機動隊の影響でサリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」を読書中。「笑い男」という言葉は攻殻の重要なキャラクターの呼び名なのですが、もともとはこの本に含まれる短編のタイトルです。

なんというか会話の気だるさが絶妙。一体こいつら何の話をしてるんだっ、と思う。ただそれでイライラするのでなくどちらかと言えば不安にさせられているというか、ストーリー性をぶち壊す不協和音が独立しそれ自体で音楽を作っているような、うまく言えないですがそんな感じがする。

何が起こっているのか、作者がこの話で何を言いたいのかも正直わからない。しかし登場人物が感情を高ぶらせていく過程がひしひしと伝わるように思う。少し不思議な味わいの短編集?