キノの旅 Ⅱ

キノの旅 Ⅱ」 時雨沢 恵一 
ISBN:978-4840216326

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AD%E3%83%8E%E3%81%AE%E6%97%85%E3%80%882%E3%80%89-Beautiful-World-%E6%99%82%E9%9B%A8%E6%B2%A2-%E6%81%B5%E4%B8%80/dp/4840216320/sr=1-8/qid=1169652321/ref=sr_1_8/503-9341927-8565566?ie=UTF8&s=books

「人を喰った話」兎を解体するシーンをきちんと書いているのがいい。命を食らうという自覚、食べ物が当然のようにその形で姿を現す今を考える。
「自由報道の国」キノの風刺ワールド炸裂。「過保護」「絵の国」もしかり。
真打は「優しい国」。キノⅠの初めにあった「理想的な地に見せかけてトンデモな国」パターンかとはじめは思った。絵からもそう思わされましたし。結果いい意味で裏切られました。

考えたこと。旅人の言葉で「なんで彼らはそんなに自分が立派と思えるんだろう」的なやつがあった。自尊心のつよい国家。あのことが明るみになった時のその地に残るという判断。最後にはよい評判を残したい。これも自尊心のなせるわざ。実は変わっていないという冷めた見方。
最後案内役の女の子は何もなくてもああであったろうか。
「理想的な地に見せかけてトンデモな国」パターンとしよう。

「嫌な国だったね」「ああ、本当に嫌な国だった」
モトラドが走り去る国。旅人に忌み嫌われる国。読者にも好かれない国。
さあ次の国へ、モトラドのとばす塵煙の遠く向こうに、さあ次の話へ、閉じられていくページの隙間に彼女はいるのかもしれない。でもキノや読者は彼女に感情移入する機会はない。

十二歳未満の子供は知らなかった。これ結構大事な気が。十二歳以上が優しくなるのはさもありなん。しかし何も知らない子供たちまで投石ボーイからあんなに友好的に。しかもおそらくごく短期間での変化。大人が変われば子供も変わる。子供の良くも悪くも柔軟さ。節操のなさ。国の、世間というものの体質がどう遺伝し続けるか。
↑考えがまとまっていない。つまらない。それでもこの話がこの巻で一番面白かった。

今思ったんですが一番初っ端の、シリーズとは無関係な話に見える「狙撃兵の話」の人が、『師匠』か?

モトラド』『パースエイダー』の語源っていったい。辞書には載ってませんし。
できたら調べたいのでメモメモ。




積読状態なのにさらに平野啓一郎さんの新刊の新書を買ってしまいました。

今のところ実践編に入りかけたところ。面白いのでそのまま全部昨日中に読めそうな勢いでしたが本の趣旨から自粛。ゆっくり読もうよ。

速読の強迫観念を緩めてくれます。問題なのは遅読のくせに速読をしようとする習慣が身にしみているため、はまるとページを繰る手を止められないということだ。



今日はとりわけまとまりのない日記でした。

本屋蟲師来てます。映画近し。


そうそう

三崎 亜記「となり町戦争」集英社文庫

買ってしまった。