声に出して読みたいメタルギアソリッド

読み終わりました。

METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS

METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS

ポイントはタイトルが『メタルギア ソリッド  ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』ではなくて『メタルギア ソリッド ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』となっていること、ナンバリングが消えていることでしょう。

「FOXDIEってなんすか?」「ナオミって誰?」というシリーズを知らない人が当然持つであろう疑問への説明はもちろん、
1、2、3のこれまでのシリーズの内容やMG、MG2の内容も中に繰り込まれ、語られています。

なのでこの本一冊がメタルギアサーガそのもの、『メタルギア ソリッド ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』という一つの作品だと言ってしまっても間違いではない、すごい良く纏まったもののように思います。確かに触れ込みどおり、シリーズに触れたことが無い人でも読める、と言ってもいいノベライス本です。
(ただ前の作品を知っておかないとイメージがつかみにくいかも。例えば今回ソリダスの存在がある意味で不可欠なのに、ソリダス本人は回想でしか登場しなかった、させることが出来ない、といった点など)


で、「声に出して読みたいメタルギアソリッド」となんぞや、というとそのままです。

声に出して読んでしまったんですね、このバカ。最後のDebriefingだけですが。

大塚明夫を呼べー(恥)!

大塚周夫を呼べー(恥)!!

田中秀幸を呼べー(恥)!!!

いや、でもいいもんですよ。普段しないことを敢えてしてみるというのは。
そのおかげかどうか、そもそもの文章の力かは分からないですが、泣いてしまいましたし。
スネークはもういない」というところなど、もう。。
そうなっているであろうことは頭では理解しているのに、考えるのと声に出してしゃべるのとはやっぱり違う。

本当かどうかは知らないですが、MGS3でエヴァ役の渡辺美佐が最後で涙声になっているのは実は演技ではなくあれは素(す)なんだという話を読んだことがありますが、なんだかそんな気がしてくる。

この物語がなぜ語り手がオタコンで、この語りは誰に向けたものなのかを最後に理解したとき、小島さんが伝えたかったという「老いても最後まで戦う男の背中」というのがほんとに分かってしまう。見えるような気がする。

本当に良いノベライスですよ、これ。

ノベライスですがその点でシリーズを知らない人にも読んでもらいたいと思う作品。

伊藤計劃のデビュー作

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)


(追記)
メタルギアを声に出して読む人もあんまりいないだろうなーと思いながら書きましたが、その後こんな方がいるのを発見。

息抜きに、朗読に挑戦しようと思った。一番手近にあるものを読んでみようと思って見つけた本はMGS4の小説と鉱石倶楽部。前者は到底無理なので鉱石倶楽部より「潜水艇」にしました。

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鉱石倶楽部 (文春文庫)

鉱石倶楽部 (文春文庫)

放課後の理科室で古びた図鑑を見つけた少年は、不思議な夜間学級に出席する―ファンタジー短篇「ゾロ博士の鉱物図鑑」を収録。紫水晶、白雲母、月長石など数々の鉱石から生まれた物語は、葡萄狩り、天体観測、寝台特急と場面を変えながら美しく煌いている。著者秘蔵の鉱石写真やショップ案内も充実したコンパクト決定版。